かつて存在した、闇の世界でも忌避される存在、技術、遺物などが最後に辿り着く場所と評された秘境の大国家。あるいは魔境。
時空の中に存在すると言われ、特殊な条件を満たさないと道すらわからない。
入るは易く、出るは難しとされ、仮に入国できたとしても出国された例は公に確認されてない。
『"修羅の国"外亡命成功者リスト』(非公式の物から一部抜粋):シグルド、ヴィクター、斑鳩 泰輝
"大災厄"と呼ばれる一連の事件の始まり、"伏魔事変"にて文字通り粉砕し、脱出に失敗した存在諸共消滅した。
修羅の国は数百年前に、アノニマスによって生み出された。
入ることは容易く出ることは困難という特性から、表社会どころか、闇の世界ですら受け入れられなかったものが最終的に行き着く国として扱われ、行き場を無くした超人や人外がこの国に逃げ込む場所、非人道的な技術を人知れず試す場所として扱われ、発展を遂げた。
誰にも等しく人権が無いため、誰もを等しく厳しく受け入れるこの大地では、数年生き延びることすら困難である。
善意は挫かれ、利用され、食い潰されるのみ。
故にその数年を生き延びることができたものはことごとく"修羅"と呼ぶべき怪物性を宿すこととなる。
閉ざされた土地にいてなお外の世界に多大な影響を及ぼす大物、そんな超人達を一息で狩り尽くす人外、そんな化け物を単騎で殺し尽くす古流。
互いが互いを常に殺し合い奪い合いながら発展する様は、まさに蠱毒。
そのような怪物たちの犇く国家は「触るべからず(アンタッチブル)」と評され、誰もがこの土地から目を逸らし、閉じ込めることを良しとした。
故に、国家の物理的消失は闇の世界に激震をもたらすこととなる。
生き延びた"修羅"達は外の世界に散逸し、世界に多大な影響を及ぼした。
秘匿して力を振るう事を知らず、なおかつ壮絶な力を誇る彼らは闇の世界も光の世界に対しても無視できない脅威と成り果てた。
今現在、大半の修羅は世を忍ぶことを覚え始めたが、その本質的な脅威度は全く変わってはいない。