概要

スピリト論と同じく、について定義するために生み出された理論。 元は人類霊長の座から凋落した異世界において生み出された理論である。
アノニマス観測し放置していた理論を、人造再誕英霊プロジェクトに関わっていた生出 司という研究者がまとめ、世に放流させた。

#もしかして 永い後日談のネクロニカ

『自我次元論』における"自我"とは

“自我”=精神は単なる脳の化学的反応ではなく、別次元と接触することで発生するものとする理論。 その別次元の名は、“自我次元”。分析心理学でいうところの集合的無意識に近い概念的な領域。 脳(情報集積体)をレコードとすると、自我次元がプレイヤーであり、プレイヤーの針がレコードを擦ることで奏でられる音楽を行動…その人格が行う“判断”であると例えられる。 この時、情報集積体が"自我次元"に接触する範囲と強度によって、発生する自我の内容に差が生まれるとされる。 情報集積体に情報が蓄積されることでひいては精神が発生するとした『スピリト論』とは真っ向から対立する説である。

『自我次元論』の応用

・死者の蘇り 情報の蓄積=経験によってが発生する『スピリト論』と違い、『自我次元論』においては、"自我次元"と接触する手段さえあれば、あらゆる生命に宿る精神を再現できるとされる。 死者の人格であっても、その死者の自我次元パターンさえ特定できれば何度でも再現ができる。

  • アルターエゴの確立 精神の再現だけでなく調整も可能であり、たとえば前代未聞の大悪人の良心部分だけを写し取り善人として再誕させることや、その逆も可能である。 このアルターエゴは、"自我次元パターン"に多少の差異さえあれば、ほぼ同一人物の精神を同時に存在させることができる。 これにより、『同一スピリト排他的問題』によって難しいとされてきた、優れた技術や異能を持つ同一人物の大量生産が可能になると言われている。
  • 肉体の移し替え 特定の情報集積体に依存しない人格保存を可能とし、理想の肉体精神を移し替えることを容易とする。 この技術を応用し、精神を人格シェルターに保存することで、永遠の命を得られるとされる。
  • 技術移植 精神を選別し抽出、移植するという特性は、精神以外の情報抽出をも可能にした。 たとえば、ただの少女に特殊部隊の技術を移植することで歴戦の戦士に変えるなど、いともたやすく兵士を量産することができる。
  • 精神の拡大 『自我次元論』における精神とは、"自我次元"から情報集積体に収まる分の情報を区切り写し取ることで自我を発現させる作業とされる。 この時、情報集積体の許容量を超える範囲あるいは強度で"自我次元"に接触することで精神肉体を越えて拡大し、特殊な力を得られる。 例をあげると、『他者の精神への直接介入』、『肉体を介さない世界への干渉』、『空間移動』など。それぞれ『テレパシー』、『サイコキネシス』、『テレポート』に似たことができる。 ただしこれらの挙動は"自我次元"にバグを起こすようなものである。たとえば、あえて2枚重ねたレコードを無理矢理プレイヤーで再生するような。 これらのバグは積み重なることで"自我次元"、つまり精神に致命的な損傷を引き起こす。 その損傷は不可逆的変化であり、いずれ同一人物の再現すら不可能とする。

自我次元論を前提とした理論

  • 前世非在論
    自我次元論において精神というものは自我次元と器となるべき肉体が接触することで発生するものであるため、前世というとのは存在しないとする説。 前世の記憶があると主張する人物を詳しく調査すると、大抵はサイコメトリーで読み取った情報を自身のものと解釈しているなど、異能によって生じた誤認であることが多い。
    稀に呪いによって情報を保持したまま別の生命の赤子の肉体に宿る例は存在する。
    この場合、転生させられた本人がを操作する術を持ち合わせているか記憶などを保護する魔術がかけられていない限り、転生後の肉体の情報伝達回路に情報を宿すことができず、ほとんどの記憶や能力を取りこぼす結果となる。

  • 同一スピリト排他的問題
    同じを持つ者は同時に存在できないという命題。
    スピリト論および自我次元論において支持される。
    自我次元論においては、観測のあるなしに関わらず同一のスピリトは発生しないとさせる。

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